使わなくなった和室を桧の床に——畳からフローリングへの改装は、DIYリフォームの定番テーマです。ただし畳を剥がした瞬間、多くの人が固まります。そこに現れるのは、想像以上に深い「55〜60mmの段差」だからです。

畳からフローリングへの改装は、この高さをどう埋めるかという「下地作り」が工程の8割を占めます。この記事では定番の下地構成と寸法の考え方、よくあるつまずきポイントを解説します。

⚠ こんな場合はプロに相談を
・畳の下の荒床(板)が腐っている、シロアリの跡がある、カビ臭が強い
・床下からの湿気が明らかに多い(下地作りの前に防湿対策が必要です)
・マンションの和室(遮音規定がある場合はLL45の記事を先にご覧ください)
下地の腐食は構造に関わります。点検口や畳を一枚上げて、まず状態確認を。

畳を剥がすと何が出てくるか

一般的な畳の厚みはおおむね55〜60mm(JIS規格では55mm・60mmが標準)。畳を撤去すると、その下の「荒床」と呼ばれる粗い板張りやベニヤの面が現れ、敷居との間に畳の厚みぶんの段差が残ります。

注意したいのは、近年は15〜25mm程度の薄畳も存在すること。また実例では50〜55mmという畳もあります。必ず自分の部屋の畳の厚みを実測してから材料の寸法を決めてください。「畳=60mm」と思い込んで材料を切り揃えると、最後に数mm合わずに苦労します。

あわせて、剥がした直後に荒床の状態をチェックします。腐れ・シロアリ・カビがあれば、下地作りの前に対処が必要です(DIYの範囲を超えることが多いため、プロの点検をおすすめします)。問題なければ掃除機をかけ、防虫・防湿シートを敷いておくと安心です。

定番構成:根太+合板12mm+桧フローリング15mm

畳の高さを埋める最も標準的な構成が「捨て貼り工法」です。根太(ねだ)と呼ばれる角材を並べ、その上に構造用合板を捨て貼りし、フローリングで仕上げます。

断面の構成例(畳厚60mmの場合・上から)
① 桧フローリング 15mm
② 構造用合板(捨て貼り) 12mm
③ 根太(30×40mmの垂木を30mm側を高さに使用)+調整ベニヤ 約33mm
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合計 約60mm ≒ 畳の厚み

ポイントは「根太の高さ+合板厚+フローリング厚 = 畳の厚み(マイナス1〜2mm)」になるよう逆算すること。敷居よりわずかに低く仕上げると、納まりがきれいで建具にも干渉しません。実際のDIY事例でも、30×40mmの根太+12mm合板+15mm桧フローリングで約60mmの段差を埋める構成が使われています。

根太の間隔は?

DIY事例では303mm(1尺)間隔で根太を並べる例が多く見られます。一方で450mm間隔で施工する例もあり、見解が分かれるところですが、15mm厚の無垢フローリングを張るなら間隔は狭い303mmピッチにしておくほうが、たわみにくく安心です。根太の本数は「部屋の幅mm ÷ 303 + 1」で概算できます。根太の間にスタイロフォームなどの断熱材を充填すると、冬の底冷えがかなり変わります(実例でも30mm厚スタイロを充填)。

下地作り最大の山場「不陸調整」

和室の荒床は、新築時から水平精度を求められていない場所です。実測すると場所により数mm単位の高低差(不陸)があるのが普通で、これを放置して根太を置くと、フローリングが波打ち、歩くたびに床鳴りがします。

不陸調整の手順(実例ベース)

① 水平器(あれば長いストレートエッジやレーザー水準器)で部屋全体の高低を把握 → ② 一番高い場所に合わせて根太の高さを決める → ③ 低い場所の根太の下に2mm・3mm・4mmなどの薄ベニヤ(パッキン)を重ねて差し込み、1本ずつ水平を出す → ④ 全部の根太の上端が同一面になったことを確認してから合板を張る。

地味で時間のかかる工程ですが、ここで出した精度がそのまま仕上がりになります。DIY実例でも畳撤去から張り上がりまで3日半ほどかかっており、その多くが下地作りです。週末DIYなら「1週目に撤去と下地、2週目にフローリング張り」の配分が現実的です。

代替案:スタイロフォーム+合板で埋める方法

「根太を組むのはハードルが高い」という方向けに、断熱材のスタイロフォーム(押出法ポリスチレンフォーム)と合板を重ねて高さを埋める方法もあります。マンションの和室DIYで実際に使われている構成例では、スタイロフォーム+薄合板+床材の組み合わせで畳の厚みに合わせています。

桧の15mmフローリングを釘でしっかり固定したい場合は、やはり根太+合板12mmの定番構成をおすすめします。なお30mm厚の無垢フローリングなら捨て貼り合板を省略して根太に直接張れるとされており(根太レス工法)、実例では杉30mm材の6畳間を2人・約6時間で張った例もあります。当店の桧フローリングは12mm・15mm厚のため、この場合も合板との併用が前提です。

仕上げ張りで気を付けること

下地が水平にできてしまえば、フローリング張り自体は通常の施工と同じです。

手順の全体像は桧フローリングの張り方ガイド、固定方法の詳細は釘・ビス・ボンドの使い分けをご覧ください。

まとめ:段差は「実測→逆算」で必ず埋まる

畳の和室の洋室化は、「畳厚を実測する → 仕上がり高さから逆算して根太+合板+床材の組み合わせを決める → 不陸を根気よく調整する」という3段階に尽きます。寸法計画さえ正しければ、特別な技術より丁寧さが結果を決める工事です。

畳の部屋の寸法(江戸間・京間など)によって必要枚数も変わります。「6畳の和室で何束必要?」といったご相談は、お気軽にお電話ください。

🔨 和室リフォームの材料選び、お手伝いします

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