桧の無垢フローリングは、DIYでも十分に張れる床材です。ただし無垢材は「呼吸して動く」素材。合板フローリングと同じ感覚で施工すると、数か月後に床鳴り・突き上げ・隙間といった形で失敗が表面化します。

この記事では、磐田市で桧フローリングを製造・直販する林材木店が、DIYでよくある失敗を「やってはいけない10のこと」としてまとめました。それぞれ「なぜダメか」「正しいやり方」をセットで解説し、最後にやってしまった場合のリカバリ方法も紹介します。

⚠ こんな場合はDIYの前にプロに相談を
・床暖房の上に施工する場合(専用品の選定が必要)
・下地が腐食している、著しく傾いている場合(構造に関わります)
・マンションの場合(管理規約の遮音規定・申請が必要)
お電話(0538-58-2395)でのご相談も承ります。

発注・準備段階のNG

❌ NG 1|ロス率を見込まずぴったりの枚数で発注する

なぜダメか:フローリングは壁際や柱まわりで必ず端材が出ます。カットの失敗や、天然木ゆえの色・節のばらつきで使いにくい板が混ざることもあります。施工面積ちょうどで発注すると、ほぼ確実に途中で足りなくなり、追加注文の到着待ちで工事が止まります。同じ商品でも生産ロットが違うと色味が揃わないこともあります。

✔ 正しいやり方:施工面積に対して5〜10%程度の余裕を見て発注します(販売店では1.1倍での注文を勧める例もあります)。残った板は将来の補修用に保管しておくと安心です。

❌ NG 2|養生(順応期間)なしで届いたその日に張る

なぜダメか:無垢材は周囲の湿度に合わせて伸縮します。倉庫やトラックの環境から届いたばかりの板をすぐ張ると、施工後に部屋の湿度へ馴染む過程で動き、隙間や突き上げの原因になります。

✔ 正しいやり方:開梱して施工する部屋に2〜3日以上、できれば1週間ほど置いて、室内の温湿度に馴染ませてから張り始めます。週末DIYなら「前の週末に搬入・開梱、翌週末に施工」がちょうど良いペースです。

❌ NG 3|下地の不良(きしみ・腐れ・傾き)を放置したまま張る

なぜダメか:フローリングの仕上がりは下地で決まります。下地がきしむ床は、上に新しい板を張ってもきしみ続けます。腐食や大きな傾きを放置すると、床鳴りどころか床の沈みにつながります。

✔ 正しいやり方:施工前に床全体を歩いて、きしむ箇所は下地へのビス増し打ちで補修してから張ります。腐食・シロアリ跡・著しい傾きが見つかったら、DIYを中断してプロに相談してください。ここだけは費用を惜しまない価値があります。

接着剤のNG(失敗が一番多いところ)

❌ NG 4|水性の木工用ボンドで張る

なぜダメか:家庭にある白い木工用ボンド(酢酸ビニル系)は水分を多く含みます。無垢材がその水分を吸って反り、乾けば痩せて、床鳴りや隙間の原因になります。接着力自体も床用としては不足です。施工マニュアルでも「水性木工用ボンド・酢酸ビニル系接着剤は使用不可」と明記されています。

✔ 正しいやり方:床用の1液型ウレタン樹脂系接着剤(いわゆる根太ボンド・床職人など)を使います。ホームセンターの床材コーナーで「フロア用・ウレタン系」と書かれたものを選べば間違いありません。

❌ NG 5|サネ(実)にボンドを流し込む

なぜダメか:板同士をはめ合わせる凹凸(サネ)は、無垢材が伸縮したときの「逃げ」の役割も持っています。ここをボンドで固めると板同士が一枚板のように固定され、湿度で膨張したときに逃げ場がなく、床鳴り・突き上げ・割れにつながるとされています。

✔ 正しいやり方:ボンドはあくまで下地と板の接着用。下地側に塗り、サネには付けません。はみ出したボンドは硬化前に拭き取ります。

張り方のNG

❌ NG 6|部屋の中央から張り始める

なぜダメか:フローリングのサネは向きが決まっており、基本は一方向に張り進めます。中央から始めると両側の壁際にそれぞれ半端な幅の板が残り、見た目が悪いうえカット作業も倍になります。最初の一列が全体の基準になるため、基準を取りにくい中央スタートは歪みのもとです。

✔ 正しいやり方:割付(最後の列がどれくらいの幅になるかの計算)は先に部屋全体で行い、張り始めは壁際から。チョークラインで基準線を引き、最初の一列を最も慎重にまっすぐ張ります。壁際に極端に細い板が来る場合は、一列目の幅を調整して逃がします。

❌ NG 7|壁際のクリアランス(隙間)ゼロで張り切る

なぜダメか:無垢材は梅雨〜夏に幅方向へ膨張します。壁にぴったり付けて張ると、膨らんだ板の逃げ場がなく、床が盛り上がる「突き上げ」や壁との擦れによる床鳴りが起きます。

✔ 正しいやり方:壁際には5〜10mmの伸縮スペースを必ず確保します。この隙間は施工後に巾木で隠れるので見た目の心配は不要です。板同士の間にも0.3mm前後(名刺1枚程度。冬の乾燥期はやや広め)のクリアランスを取ります。

❌ NG 8|スペーサーの抜き忘れ

なぜダメか:板間のクリアランス確保に挟むスペーサー(名刺・ハガキ・塩ビ片など)を抜き忘れたまま施工を終えると、本来の隙間が硬い異物で埋まった状態になり、膨張時の逃げがなくなります。木の色に似たスペーサーは床に同化して見落としがちです。

✔ 正しいやり方:木の色と同化しない目立つ色のスペーサーを使い、数列張るごとに抜きながら進める方法が専門店で紹介されています。最後に必ず床全体を見回して回収します。

リフォーム・特殊条件のNG

❌ NG 9|既存床のワックスを除去せずに重ね張りする

なぜダメか:既存フローリングの表面にワックス成分が残っていると、ウレタンボンドがしっかり食い付かず接着不良を起こすとされています。張った直後は問題なくても、後から浮き・床鳴りとなって現れます。

✔ 正しいやり方:重ね張りの前に住居用洗剤などでワックスを除去し、乾燥させてから施工します。重ね張りの注意点は重ね張りDIYの解説記事で詳しくまとめています。

❌ NG 10|床暖房対応品と非対応品を同じ部屋で混ぜて使う

なぜダメか:床暖房対応の無垢フローリングは乾燥処理が一般品と異なり、収縮率が違います。専門店は「同じ仕切りの中での併用はできない。反り・割れの原因になる」と明言しています。「床暖パネルの上だけ対応品、周囲は安い一般品」という節約は、見た目が同じでも木の動きが揃わず失敗します。

✔ 正しいやり方:床暖房のある部屋は、部屋全体を床暖対応品で統一します。そもそも床暖房上への施工は温度条件・接着剤の指定などが厳しいため、購入前に必ず販売店・施工店に確認してください。

やってしまった後のリカバリ方法

すでに失敗してしまった場合も、無垢材は複合フローリングより「やり直しが効く」素材です。症状別の対処をまとめます。

10個並べると難しそうに見えますが、要は「木が動くことを前提に、余裕(クリアランス・ロス率・養生期間)を持たせる」という一つの原則に集約されます。正しい手順の全体像はDIYで桧フローリングを張る方法を、釘・ビス・ボンドの選び方は固定方法の解説記事をご覧ください。

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