無垢フローリングを選ぶとき、樹種やグレードと同じくらい暮らし心地を左右するのが「仕上げ(塗装)」です。選択肢は大きく3つ——無塗装・オイル塗装・ウレタン塗装。それぞれ手触りもメンテナンスもまったく違うため、「どれが正解?」と迷う方が非常に多いポイントです。
結論から言うと、正解は「あなたの暮らし方」によって変わります。この記事では3つの仕上げの違いを整理したうえで、暮らし方別の早見表と、油分の多い桧ならではの注意点をお伝えします。
3つの仕上げをひと目で比較
| 項目 | 無塗装 | オイル塗装 | ウレタン塗装 |
|---|---|---|---|
| 仕組み | 何も塗らない素の木 | 植物系オイルが木に浸透(塗膜なし) | 樹脂の塗膜で表面を覆う |
| 手触り・質感 | ◎ 木そのもの | ○ 木の質感をほぼ保つ | △ ツルツルしたコーティング感 |
| 調湿・木の呼吸 | ◎ 最大限 | ○ 保たれる | × 塗膜で妨げられる |
| 水・シミへの強さ | × つきやすい | △ 多少の保護(シミはできる) | ◎ 水・汚れを弾く |
| 日常の手入れ | 乾拭き・掃除機 | 乾拭き・掃除機 | 日常掃除のみでほぼ完結 |
| 定期メンテナンス | 不要(後からオイル移行も可) | 再塗装の目安は半年〜2年に1回程度(場所による) | 原則不要(ワックス不要) |
| 傷・凹みの補修 | ◎ 研磨・アイロン補修が自分でできる | ◎ 研磨して再オイルで自分で直せる | × 部分補修は難しく業者対応 |
無塗装 — 桧の香りと足触りを最大限に
こんな仕上げ
文字どおり何も塗っていない、素の木の状態。木の香り・調湿性・さらりとした足触りといった無垢材の良さをすべて、いちばん濃く味わえます。桧なら、あの森のような香りが最も強く感じられる仕上げです。
弱点は汚れへの無防備さ。水や食べこぼしのシミ、素足の皮脂による黒ずみは塗装品よりつきやすくなります。ただし無垢材なので、汚れや毛羽立ちはサンドペーパーで研磨すれば再生できますし、住みながら「やっぱり保護したい」と思ったら、後からオイルや蜜蝋ワックスを塗って育てていく移行も可能です。
オイル塗装 — 質感と保護のバランス型
こんな仕上げ
植物系オイルを木に浸透させる仕上げで、表面に塗膜を作りません。木の呼吸(調湿)とサラサラした手触りをほぼ保ちながら、無塗装よりは水や汚れに対する保護が加わります。
注意したいのは「オイルを塗れば水を弾いてシミ知らず」ではないこと。塗膜がない以上、水分を放置すればシミは普通にできます。そのかわり、軽い傷やシミは自分でペーパー研磨して再オイルすれば目立たなくでき、凹みのアイロン補修も可能。「汚れたら自分で直せる」のがオイル最大の強みです。再塗装の頻度は場所によって変わり、使用頻度の高いキッチンまわりは半年〜1年、リビングは1〜2年、寝室なら2〜3年に1回が目安とされています。
ウレタン塗装 — メンテナンスフリーの実力派
こんな仕上げ
表面を硬い樹脂塗膜で覆う仕上げで、一般的な複合フローリングにも使われている方式です。水や汚れを弾き、ワックスも不要。日常の掃除だけでほぼメンテナンスフリーになるのは、忙しい家庭にとって大きな魅力です。
引き換えに失うものもあります。塗膜が木を覆うため調湿効果は妨げられ、手触りは木のサラサラ感ではなくツルツルしたコーティングの感触に。また塗膜が割れるような深い傷がつくと自分では部分補修できず、再塗装は業者による研磨・全面塗り直しになります。「無垢なのにメンテが大変そう」という不安への答えとしては優秀ですが、「無垢らしさ」は3つの中で最も薄まる仕上げです。
暮らし方別おすすめ早見表
| 暮らし方・優先順位 | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| 共働きで掃除に時間をかけられない | ウレタン | 日常掃除のみで維持でき、水拭きにも強い |
| 小さい子供がいる(食べこぼし・落書き) | オイル | シミ・傷を自分で研磨補修できる。子供の肌に触れる質感も◎ |
| ペットと暮らす | オイル | 粗相の対応と部分補修のしやすさで有利 |
| とにかく木の質感・香り重視 | 無塗装 | 桧の香り・足触り・調湿を最大限楽しめる |
| 寝室・書斎などくつろぎ優先の部屋 | 無塗装 or オイル | 水を使わない部屋なら弱点が出にくい |
| キッチン・洗面所まわり | ウレタン or こまめに手入れできるならオイル | 水がかかる場所は保護力か、手入れの覚悟のどちらかが必要 |
| DIYで床を「育てる」のを楽しみたい | 無塗装→オイル移行 | 住みながら好みのオイル・ワックスで仕上げていける |
迷ったら「水を使う場所か」「メンテに手をかけられるか」「質感をどこまで重視するか」の3つの問いで考えると絞れます。部屋ごとに仕上げを変えるのも実用的な方法です。
桧ならではの注意点 — 油分が多い木はクリア系が基本
仕上げ選びには、実は樹種ごとの相性があります。桧は「火の木」と言われるほど油分(樹脂分)を多く含む木で、この油分こそが桧の光沢・水への強さ・香りの源です。経年とともに表面へ油分がにじみ出て、自然な艶と飴色の深みが増していきます。
その一方で、油分が多いぶん塗料が浸透しにくく、着色塗装(茶系などに色を付ける塗装)には不向きとされています。特に明るめの着色では色ムラが出やすいという専門家の指摘もあります。桧はもともと白く美しい木肌を鑑賞する木。色を乗せるのではなく、無塗装またはクリア系(透明)のオイルで素地を活かすのが、桧と長く付き合うセオリーです。
オイルを含んだウエス(布)は、丸めて放置すると酸化熱で自然発火する恐れがあります。使用後は水に浸してから廃棄してください。また床暖房に施工する場合や下地の状態が悪い場合、マンションの防音規定がある場合は、仕上げ以前の問題としてプロへの相談をおすすめします。
林材木店の桧フローリングは「無塗装」でお届け
林材木店の桧フローリングは、自社で天然乾燥のうえ超仕上げ(カンナ仕上げ)した無塗装品です。カンナで磨いた無塗装の桧は、それだけで滑らかな肌触りに仕上がっています。そのまま桧の素肌を楽しむもよし、お好みのオイルやワックスで仕上げるもよし——仕上げを選ぶ自由をお客様の手に残したお届けの形です。
お部屋の使い方を教えていただければ、スタッフが仕上げの考え方をご案内します。お電話(0538-58-2395)またはお問い合わせフォームへ。無塗装の質感は無料サンプルで実際に触ってお確かめいただけます。